プレミアムフライデー失敗から考察する「働き方改革」の本質

2017年の1月から月末の金曜日に、早く帰ろうという取り組み、「プレミアムフライデー」、がスタートしましたが、各企業の取り組み状況は全くと言って良い程、進んでいません。

開始当初から予測されましたが、「月末の金曜日など不可能」「小企業や小売り飲食業は全く関係ない」「休日出勤してまで、金曜日早帰りしたくない」など、様々な意見があります。

これまで、土曜日の「半ドン」を1日休日にした実績を元に、浸透させようとしているのかは定かではありませんが、あまりにも現実とかけ離れたイメージがぬぐえません。

 

そもそも、なぜこのような取り組みが登場したかというは、言うまでもなく「働き方改革」を推進しようとしているからです。

 

では、「働き方改革」とは一体何でしょうか?

当初は、少子高齢化に伴う労働人口の減少に向けて、効率よく仕事をしようという取り組みであったはずです。それがいつの間にか、労働時間削減のみの論点にすり替わってしまいました。その取り締まりの一環として、厚生労働省は、36協定の運用の厳格さを求めてきました。

 

さかえ経営がこれまで、各企業における「働き方改革」の取り組み状況を調査していると、労働時間の短縮、法律の運用の強化に対して、どのように対応すべきか苦慮している場合も散見されます。そのために、労働時間の管理を強化する結果になり、ますます、自由な働き方から遠くなっています。

 

この論点のすり替えが、企業における「働き方改革」に大きなブレーキをかけていると考えています。

 

労働時間管理の強化と、自由な働き方は矛盾しています。全体的に早帰りを促進する日を設定すること自体は、問題ないかと思います。ただ、いたずらに、長時間労働是正という名のもとの労働時間管理強化を前面に推し進め、企業においても、それのみの対応だと、活力が大きく減退するものと思われます。

 

昨今の「働き方改革」の風潮は、一歩間違えると、単なる「働かない社会」の促進を招くばかりか、人材が豊富な一部の企業のみが生き残ることができる流れになるのではという危機感があります。

 

一方で、これまで、労働時間の長さによって、経済維持できていたという事実を踏まえて、必要な人材の労働時間削減を、生産性を落とさずに、実現する必要があります。そして、それにより、企業は、さらに発展すると考えています。

 

高度経済成長からバブル崩壊、そして、90年代以降、そして、リーマンショックの流れを経て、人材の価値観は多様になっています。

 

皆が同じ価値観だった、高度経済成長からバブル崩壊までは、雇用の安定性等から、会社に対するロイヤリティがありました。しかし、それ以降においては、リストラ・成果主義などから、会社に対する不信感、一方で、就社ではなく、就職と言った、働くことに対する意識の向上も見られるようになりました。

 

そのため、強引な労働時間管理強化、時短の推進は、強制力ということでは効果を出すかもしれませんが、それは取り組み姿勢や会社の求心力が高い場合のみです。この場合は、すでに業務・会社においての充足は満たされている場合のみです。そうでない場合は、会社からの圧力が強いと未払い賃金・メンタルのリスクのみが急増し、制度そのものが形骸化してしまいます。

 

これからの時代は、労働人口の減少、それに伴う消費人口の減少に伴う新たな市場の開拓が求められ、そのために、「働き方改革」を通じて、業務を効率化することで人員不足を解消し、AIなどを用いることにより、自由で時間に捉われないに働き方より、人がかかわる業務の高度化の実現が必要ではないでしょうか。その最終的な結果として、業績向上であり、優秀な人材の育成・採用になります。

そのためには、従業員ごとに異なる「働きやすさ」を追求するとともに、そのパフォーマンスごとに最適な評価を行う必要があります。

その結果として、無駄な時間がなくなり、ねん出された時間をどのように過ごすのか、その手段として、プレミアムフライデーやワークライフバランスなどの論点になると思います。

「働き方改革」・「プレミアムフライデー」・「ワークライフバランス」等、手段に拘るのではなく、どのように生産性を上げていくのか、優秀な人材を育成するのか、ということに着目して、対策を講じる必要があるかと思います。

 

 

 

2017年07月06日