年末調整のアウトソーシングとは?給与計算と合わせて代行してくれる?
最終更新日:2024.10.24
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社労士:
森田 征
年末調整アウトソーシングとは、企業が社員の年末調整に関する年に一度の業務を外部に委託することです。このサービスを利用することで、年末調整業務担当者の負担を大幅に軽減できます。
給与計算と合わせての代行はもちろん、賞与計算や住民税更新、社会保険事務の手続きなども可能です。
目次
年末調整のアウトソーシングとは?
年末調整アウトソーシングとは、企業が社員の年末調整に関する年に一度の業務を外部に委託することです。このサービスを利用することで、年末調整業務担当者の負担を大幅に軽減できます。
また専門知識を持つ外部業者に任せることで、自社では難しい細かな作業や法改正への対応も含め、より正確で効率的な業務が期待できます。
年末調整業務とは
企業が社員に支払った毎月の給与から源泉徴収した所得税と、その人が1年間に納めるべき所得税を比較し、その差額を精算する手続きです。これには以下のような対象者が含まれます。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を年末調整日までに提出している人
- 年末時点で企業に在籍している人
年末調整の対象者
12月に行う年末調整の対象者
- 企業などに1年を通じて勤務している人
- 年の途中から就職し年末まで勤務している人
年の中途で行う年末調整の対象者
- 年の途中で非居住者となった人
- 年の途中で死亡により退職した人
- 著しい心身の障害のため退職し、本年中に再就職が見込めない人
- 12月に給与を受け取った後に退職した人
- パートタイマーで本年中の給与総額が103万円以下の人(退職後、年末までに他の勤務先から給与を受け取る見込みがない場合)
年末調整のアウトソーシングは、このような煩雑な業務を外部に委託することで、企業の業務効率を大幅に向上させる有効な手段です。
アウトソーシングについては下記記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
給与計算・年末調整・住民税更新を依頼する場合の費用は?
給与計算にあわせて、年末調整や住民税の更新など関連業務もアウトソーシングすることで、業務削減効果はさらに大きくなります。従業員10~50人規模の会社がこれらの業務を外注する際の費用相場は、10~20万円程度です。従業員が100人以上の規模になると、費用相場は35万円以上に上がります。
年末調整は11月から翌年1月にかけて行う必要があり、必要書類の取りまとめや法定調書の作成、税務署・市区町村への提出などの業務が含まれます。また、住民税更新は6月の給与計算業務の前に行わなければならず、これも大きな負担となります。
従業員1人あたり1,000~2,000円といった相場感もありますが、具体的な費用は企業の規模や業務の複雑さによって異なります。これらの業務を外注することで、企業は業務効率を向上させ、担当者の負担を軽減することができます。
年末調整・住民税更新のみを外注するのも一つの方法です。これにより、企業内の人的リソースを他の重要な業務に集中させることが可能となり、結果として全体の生産性向上に寄与するでしょう。
アウトソーシングの費用相場については、下記記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
給与計算・年末調整のアウトソーシングで対応してくれる業務
毎月の給与計算
給与計算アウトソーシングでは、毎月の勤怠データをもとに残業代や社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税などの計算を行います。また、給与明細の作成や印刷、最近ではデータの配信も行われ、従業員からの問い合わせ対応や書類の回収なども含まれます。
賞与計算
賞与計算もアウトソーシングが可能です。賞与には残業代の計算は不要ですが、社会保険料や所得税の計算、賞与明細の作成・印刷が必要です。多くの場合、毎月の給与計算と合わせて依頼されることが一般的です。
振込データの作成
給与振込データを作成し、納品するサービスも提供されています。このサービスは標準的と思われがちですが、対応していないアウトソーサーも存在するため、事前に確認が必要です。
年末調整
年末調整は非常に煩雑な業務です。扶養控除申告書類の取りまとめや申告書内容のチェック、従業員からの問い合わせ対応、市町村や税務署への給与支払報告書や法定調書の作成など、多岐にわたる業務を含みます。年末の忙しい時期にこれらの業務を代行してもらうことで、大きな負担軽減が期待できます。
住民税更新
住民税の更新作業もアウトソーシング可能です。年に一度、従業員の住居地から届く特別徴収額通知書をもとに毎月控除する住民税額を更新します。従業員数が多い企業などでは、この作業の外部委託が一般的です。
社会保険事務の手続き
労働保険料の更新や健康保険・厚生年金の定時決定や随時改定といった手続きもアウトソーシングの対象となります。これにより、労務管理の負担を軽減できます。
従業員からの問い合わせ対応
給与計算や社会保険に関する従業員からの問い合わせ対応も、アウトソーシングでカバーできる業務です。ただし、対応可能な代行会社は限られているため、選定時に確認が必要です。
給与計算・年末調整の外注業者を選ぶ時のポイント
自社が依頼したい業務に完全対応しているか
まずは、自社がどの業務を依頼したいのかを明確にしましょう。給与計算のみを依頼する場合はシンプルですが、「年末調整もお願いしたい」や「給与計算と関連業務も代行してほしい」などの場合、対応範囲を事前に確認することが重要です。
柔軟な対応力があるか
アウトソーシング先の柔軟性も大切なポイントです。自社独自の給与規定や特別手当の対応、海外勤務者の給与計算など、自社の特有の要件に対応できるかを確認しましょう。また、窓口の体制やイレギュラー時の対応方法も事前にチェックしておくと安心です。
豊富な実績と信頼性
サービスの信頼性を測るためには、実績の確認が不可欠です。企業のサイトでの実績紹介や口コミサイトの評判を参考にしましょう。特に自社と似た業種・規模の企業での実績があると、相性の良さが期待できます。
安全なセキュリティ体制の確認
給与計算では社員の個人情報を扱うため、情報漏洩のリスクを防ぐために、セキュリティ体制の確認も必須です。プライバシーマーク(Pマーク)やISO認証などの取得状況を確認し、安全な環境で運用されているかを確認しましょう。
予算に見合った料金プランか
サービス料金も重要なポイントです。基本料金とオプション料を合算した金額が予算内に収まるか、各サービスの料金体系を比較しましょう。長期的な契約で割引があるか、初期費用がかかるかなど、コストパフォーマンスを考慮し、自社の予算に合うものを選びましょう。
年末調整のアウトソーシングとは何ですか?
給与計算と合わせて代行してくれるのでしょうか?