会社のPC・メールアドレスの私用化は見逃しても良い?社員の無断利用について
最終更新日:2024.10.24
目次
会社PC、メールアドレスを私的に使用する社員への対応方法とは?
当社でも、一人1つのメールアドレスおよびPCを貸与しているのですが、ある社員がそのアドレスで業務と関係ない連絡をしたり、明らかに業務には必要のないサイトを閲覧したりしています。
本人に注意しても、言い訳ばかりで改善の余地がありません。
どのように対応すれば良いでしょうか。
私用目的を容認するかどうかは会社で取り決めを
本来業務に使用すべきメールアドレスやPCをプライベートに利用する社員が増えています。
これを容認するか否定するか、会社の意思が統一されていなければなりません。
会社の姿勢を表す方法としては、その方針を就業規則に盛り込んだり、別規定として制定する方法が労働法的に最も効果的です。
その懲戒規定に基づき、明らかに私用で使用しているのであれば、懲罰を与えることができます。
本人の言い訳に対しては、そのメールや閲覧サイトが、社会通念上業務に必要かどうかが判断材料になるかと思います。
処分の内容としては、まず始末書になるかと思います。
安全性に欠けるサイト閲覧は情報セキュリティ上問題。会社への不利益を考慮
安全性に欠けるサイトへのアクセスや、それらへの会社アドレスの登録などのため、ウイルスの侵入や情報セキュリティの漏洩の可能性があります。
また「行き過ぎた私用メール」によって職場の雰囲気が乱れたり、仕事が遅々として進まない原因となる可能性がありるばかりか、そのような仕事をしない人の存在は周囲に対する悪影響を及ぼす可能性があります。
一見すると仕事しているような印象もあるが、アウトプットが出ず、部署内での業務の停滞や、雰囲気・他の従業員のモチベーション低下につながる可能性もあります。
就業規則にPC使用ルールを盛り込み、懲戒規定の見直しも
多くの企業が取り入れているように、PCやメールアドレスの使用に関する社内規定を作成したり、その内容を就業規則に盛り込んだりしてルールを整備することが肝要です。
就業規則に盛り込む場合、所轄の労働基準監督署に「就業規則変更届」と「従業員代表または労働組合の意見書」を添付して提出することになります。
また、それに伴い懲戒規定や服務規律等の見直しも必要です。
なお違反が発覚した場合、最初は口頭注意に留め、改善の余地がなければ始末書を請求するなど、ある程度段階を踏む必要があるかと思います。
なぜ私用メールがいけないのか、根拠を示す
私用によるPCやメールアドレス使用のルールを社員たちに強く意識させ、ルール違反に対する認識を新たにさせることができれば、そのまま違反抑止策にもつながります。
それと同時に、社員に対して「なぜ私用メールをしてはいけないのか」という根拠を示す必要があります。
これらを怠ると、表面的には解決したとしても、社員の中にある「少しくらいの私用メールなら大勢に影響もないし、何がいけないのか」という内なる不満を取り除くことができないからです。
人材マネジメント上のポイント
従業員の業務を日々、管理することが必要になります。
日報等による進捗の管理により、今どのくらいの作業・業務量があるかどうかを把握し、優宣順位等も把握して、時間外の必要性等を従業員に一任するのではなく、管理者等も把握することができるような環境づくりも必要になってきます。
そのような業務把握を実現した次のステップとして、生産性向上に向けた取り組みや在宅勤務の導入・浸透等につなげていくことが望ましいと考えています。
いずれにしても、業務の量・内容の把握を第3者と共有することによる効果は非常に高く、特に管理者の動きが重要になってきます。
そのために、残業や深夜労働等を勝手に認めるのではなく、必要性等を踏まえて、判断していくことが必要になります。