あるべき人材像の策定と タレントマネジメントの企画立案
2020.01.28
管理者と高度専門職の育成により社内体制強化を実現
医薬品の卸売業であり、一般的に小売業の形態であるが、マネジメント職と専門職(薬剤師)が混在している。
マネジメント職のスキルのバラツキや管理手法に問題があり、
慢性的な薬剤師不足に悩まされている。
そのため、店長を中心としたマネジメント職の育成に伴い、「あるべき店長像」の策定をしたいと考えた。
セッションにて、まず、定性的な側面において、「あるべき店長像」をヒアリングした。次に、様々な定性的な指標を用いて、成功要因を分析した。
さらに、HR-PROGを用いて、優秀なマネジメント職の特性を分析し、「優秀と思われる店長」・「皆から慕われている店長」の特性を可視化した。
そのモデルを元に、キャリアパスや等級制度の見直し、さらには優秀店長予備群を対象に研修等を実施した。
1.人材の選定
経営陣・各本部長に対して、HR-PROGの診断項目に応じたヒアリングによって、あるべき店長像のモデルを調査した。
その次に、各店舗の業績(評価)指標を20項目ほど収集し、優秀と思われる店舗を定量的に検討した。
優先される定量指標が高い店舗、及びインタビューとHR-PROGの指標が高かった店長において、インタビューを実施し、優秀な店長像をまとめた。
具体的なステップは下記のように実施した。
STEP1:ヒアリング 現在の優秀人材像を整理
STEP2:定量分析 業績の高い店舗の指標を分析
STEP3:HR-PROG 優秀人材の特性の分析
STEP4:定量分析 優秀な人材との乖離を分析
STEP5:分析・構築 あるべき人材像構築とキャリアロードマップの作成
これらのプロセスを経営陣・本部長、経営企画部、現場の店長(優秀人材候補)に対して、ヒアリング・分析、レビュー等を行った。
2.各制度等への落とし込み
優秀な店長像にどのように近づけていくかを精査し、下記のように取りまとめた。
(1)研修体系の再構築
(2)サクセッションプランの策定
(3)等級制度の見直し
あるべき店長像をベースにそれらの論点に、要素を落とし込み、各種制度を構築した。
要素への分解は、HR-PROGの診断項目が各店舗そのものの定量指標にもたらす要因を分析し、HR-PROGの診断項目ごとに整理した。
3.当社のその後
これまで、年功で取り扱っていた、店長やエリアマネージャーの配置を、「優秀人材の定義」に沿って行った。
その結果、大規模店舗の業績が向上したと同時に、薬剤師等の採用状況も以前より改善された。
また、中規模・小規模店においても適性を考慮した配置ができたため、以前より人材不足の問題は解消されつつある。
今後、サクセッションプランや、等級制度を運用していくことにより、経営幹部と、高度専門職の育成に強化していくことを計画している。