事例・実績

人材の活力を最大限生かし、企業の業績を向上するには適した戦略や施策が必要です。
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ジョブ型人事制度構築と 評価運用支援

業種:
従業員数: 約500名
ジョブ型人事制度構築と評価運用支援
明確な人事評価制度構築と年功序列体制の廃止

 

当社創業50年を迎える電子部品製造メーカーです。

 

好不況それぞれありましたが、大きなトラブルもなく、順調でした。

 

これまで人材マネジメントについてはあまり注力せずに、20年程度前の目標管理を運用していました。

 

昨今、若手層における人材の離職が増え、また技術の伝承もできず、ビジネスが停滞する可能性が出てきました。

 

そのため、人事制度改定をはじめ、役割等級制度を導入し、評価制度もコンピテンシー評価を導入しました。

 

しかし、人材の流出は止まらず、さらには管理者をはじめとした従業員の評判もあまり良くありませんでした。

 

制度導入から1年余りと短く、変更することに躊躇もありましたが、この度、再度人事制度を見直すことにしました。

 

 

1.現状分析

 

制度内容は役割等級制度になっていましたが、以下の点に問題がありました。

 

(1) 役割等級制度の内容と実際に張り付いている人の役割に大幅な乖離があった。

(2) 行動評価が単なる情意評価になっている。

(3) 目標管理の目標の内容が抽象的である。

(4) 各管理者の評価の視点、考え方が異なる。

結局のところ、制度構築はしたものの、簡単な説明で済ませていたこと、またハレーションを恐れるあまりに、

 

現状維持を意識するあまり、将来のキャリアパスに期待を持つことができなくなっている状況がありました。

 

 

2.等級制度の構造検討

 

当初は役割等級制度の内容を見直すのみでしたが、どのような人材を評価したいか、

 

今後の人材をどの様に考えるのかを整理しました。

 

その結果、必ずしも、職能的になる可能性がある役割等級制度一本よりも、

 

後継者育成や技術伝承、職務重視の社風等から考えると、職務の方が相応しいという結論になりました。

 

 

また、職務導入にあたって、管理者の役割・高度専門職の必要性の有無についても検討しました。

 

その結果、管理職の役割は期待も含めて明確にあるということ、

 

管理職以外の人材に関しては、業務の開発・新規業務の取り組み、会社を代表する技術者等の役割を期待しており、

 

それ以外の比較的ルーティンを担う人と区別したいとのことでした。

 

その結果、職務については下位等級と上位等級の一部とし、

 

管理職やキャリアを求められる人材(等級)については、役割等級制度をブラッシュアップすることとしました。

 

 

3.職務調査

 

職務調査に関しては、バリューチェーンを職種・本部ごとに展開させ、それをベースに調査票を作成しました。

 

職務と役割、行動等の考え方が調査対象者の中には混同している人がおり、合計3回の調査を実施しました。

 

また、その職務に対してレベル分けを行い、数値として算出しました。

 

数値算出に関しては、20通りの基準から対象となる評価指標を選択し、標準偏差を出し、スコア化しました。

 

 
4.育成シートの展開

 

一覧になった職務に対して、今後どのように取り組むのか、キャリパスはどのようにするのかを明確にし、

 

上位等級になるのかを意識しながら、期中のおけるスキルキャッチをどのようにするのかを検討しました。

 

単に職務評価をするだけでなく、到達したいレベルまで、

 

「何をどのようにするのか」「職務に対してどのような姿勢で取り組みのか」を話し合う機会を設定すると同時に、

 

1on1の取り組み方法等を整理し、理解促進に注力しました。

 

 

5.その後と社会情勢の変化

 

日常の業務に対する取り組み度合が大幅に変化し、

 

ある程度の人材のスキルアップに取り組むようになったの同時に、

 

それについていけない人材については離職が進みました。

 

また、今年(2020年)の新型コロナウイルス騒動については、

 

業務上できる人に関しては在宅勤務が円滑に導入することができました。

 

今後、育成に注力するために、教育制度を充実させる予定です。