在宅勤務時に時間外労働を拒否されたら?残業命令を無視したら処分を科せる?
最終更新日:2024.10.24
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在宅勤務の社員の業務で、期限を守るのに必要な時間外労働を拒否された
平均すると週2日の在宅勤務を導入していますが、ある社員が、取引先に対する資料を次の日までに作成しなければならないのに、在宅勤務時の時間外労働を拒否します。どのような対応が必要なのでしょうか。
労働時間管理がされていれば、在宅でも通常の労働基準法が適用される
されます。
労働時間は労働基準法第32条によって「1日8時間、1週40時間」と決められています。しかし、それを超える場合もあるため、労働基準法第36条では、労使協定を締結し、その協定で定めるところによって労働時間を延長したり、休日に労働させることができると規定しています。
原則として、この36協定さえ締結しておれば、その設定時間までは時間外労働をさせることが出来ます。また、個別の労働契約に記載することも必要になります。上記の
になります。
「あの人が残業しなくて許されるなら、自分もサボって大丈夫だろう」と解釈する社員も
昨今の時代背景を考えると、時間外労働はない方が良いですが、
単なるプライベートの理由によって残業を拒否する社員が現れたときに、経営者として強い姿勢で臨めないというデメリットは、「あの人が残業を拒否してお咎めなしなら、自分が少しくらい仕事をサボっても見逃してくれるだろう」という、
になります。
条件を満たせば、在宅で残業命令を無視した社員に懲戒処分を科せる
労働時間管理や時間外労働に関する取扱い規定において、在宅勤務も前提になる旨の整備が必要になります。
業務命令により従業員に公法的な残業命令を行うためには、36協定の締結・届出のほかに、
が存在しなければならないとされています。また残業をしなければならない要件がある程度は36協定の「時間外または休日の労働をさせる必要のある具体的事由」に規定したものと一致していることも条件の一つです。
この両側面の整備は労務管理における最低限のリスクマネジメントです。以上の諸条件を満たしている場合、残業命令を無視した従業員については、何らかの懲戒処分を科すことができます。
まずは、時間外労働の必要性を説明し、従うように促す
在宅勤務は、単なる就業場所の違いであり、「労働時間管理」がなされている前提であるので、通常の労働基準法だけでなく、労働者災害補償保険法などの労働関係の法律も適用されます。したがって、労働者は、法定労働時間(1日8時間、1週間に40時間)を超えて勤務したときには残業代を請求できます。
しかし、
しなければなりません。それに正当な理由がなければ、時間外労働の必要性を説明し、従うように促してください。それでも難しい場合は、軽い処分から懲戒処分も視野に慎重に対応してください。
人材マネジメント上のポイント
労働時間に関しては、法に従って厳格に対応することが求められますが、拘束性等がない場合においては、待機時間が除外されることを考えると
ではないでしょうか。
そのためには、会社・業務に対するコミットメント度合を高めることが求められます。そのためには、
だと考えられます。個人の特性としては、具体的には行動特性が挙げられます。この個人の行動特性と現在の業務において求める行動特性とのギャップが高い場合にはもしかするとその仕事に向いていない場合があります
。また、会社・業務に対して、取り組み姿勢が高いのか、それとも単に生活のためだけに働いているのかをという本人の志向性も重要になってきます。それを把握した上で、その結果に即して、興味が持てる教育施策等への展開が必要になります。