顧客からの過度なクレームに悩む企業へ!カスタマーハラスメント対策のポイント
最終更新日:2024.10.24
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客からのクレームに従業員が疲弊。カスタマーハラスメントの予防・対応策は?
テレビや雑誌等である商品が紹介され、連日、入荷時期等の問合せが殺到しています。
時には心無い言葉を浴びせられることもあり、現場の従業員から疲弊した声が上がっています。
会社として、何か対応が必要でしょうか。
カスタマーハラスメントを放置すると、企業の安全配慮義務違反につながる
カスタマーハラスメントとは、一般に、顧客や取引先時からの暴力や悪質なクレームなど著しい迷惑行為のことを意味します。
顧客には、就業規則等の事業主がつかさどる規範の影響が及びません。
また、顧客の要求に応じないことや、顧客に対して対応を要求することは、事業の妨げになる場合があります。
このため、カスタマーハラスメントには、職場のパワーハラスメントと比べて実効性のある予防策を講じることは一般的には困難な面があるといえます。
だからといって、
にもつながりかねません。
カスタマーハラスメントは、従業員に大きなストレスを与え離職の原因に
カスタマーハラスメントは、従業員に大きなストレスを与え、従業員の離職の原因になります。
また、不当な要求を続けるクレーマーへの対応に時間と労力を割くことは事業にとっても大きなマイナスです。
市立小学校で、
があります。
この事案では、市に対して教師への損害賠償を命じる判決が出されています(甲府地判平成 30・11・13 労判1202号95頁)。
という内容です。
典型的なカスタマーハラスメントへの切り返し方などを明確にマニュアル化
会社は、カスタマーハラスメントへの対応を怠ると、安全配慮義務違反を問われる可能性があります。
そのため、
が望ましいといえます。
自社において、顧客からの迷惑行為、不当要求に関する対応マニュアルを作り、自社内での研修などに活用することも効果的です。
例えば、「社長を呼べ」とか、「誠意を見せろ」といった要求はカスタマーハラスメントの典型例です。
こういった
しておくことが必要です。
メンタルヘルス相談など、速やかに被害者に対する配慮の取組みを
カスタマーハラスメントにおいては、対応を誤れば、悪質なクレームに発展する可能性があるところです。
このため、
です。
また、従業員から被害等の相談があった場合は、事実関係を確認し、顧客等からの著しい迷惑行為が認められた場合は、被害者のメンタルヘルス不調への相談対応や、著しい迷惑行為を行った者に対する対応が必要な場合に、一人で対応させない等、速やかに被害者に対する配慮のための取組みを行うことも重要です。
人材マネジメント上のポイント
カスタマーハラスメンの問題は、間接部門内部の問題に留まらないため、非常に難しい問題であると言えます。
この場合の前提として、過度なカスタマーハラスメントの問題ではなく、ある程度軽微な問題に限定すると、一言でいうと、会社・業務に対する責任感の醸成ではないでしょうか。
しかし、それは、一長一短ではありませんが、それらの積み重ねにより、責任感・会社に対するコミットメントが強くなります。
であるかと思います。
しかし、過度になりすぎると、他の人に対しても悪影響を与えてしまいます。責任感を醸成しつつも、チームの一員としての職務・役割を定義し、特定の人材に業務が集中しないように心がけると当時に、1on1等の機会を積極的に持ち、各社員の心身の状況・業務負荷等を観察する必要があります。
また、別のアプローチとして、業務の効率化やカイゼンの意識付けを行うことを目的とした、ワークショップや研修、さらには目標設定等も想定されます。いずれに施策にしても、責任感を醸成しつつ、その責任感を効率化、さらには生産性向上につながるようなアプローチが必要になります。