人事データの分析と活用で企業の成長を支える – HR-Techの導入と活用法
最終更新日:2024.10.24
はじめに
前回は、どのような形で人材マネジメントの変化をさせていけばよいのかということについて述べました。
今回は、HR-Tech―人事データの活用―について解説していきます。
HR-Techとは
HR-TECHとは、 “HR(Human Resource)× Technology”を意味する造語。
クラウドやビッグデータ解析、人工知能(AI)など最先端のIT関連技術を使って、採用・育成・評価・配置などの人事関連業務を行う手法のことです。
新しいテクノロジーの導入は、採用やタレントマネジメント、リーダー育成、評価、給与計算、業務改善など幅広い領域におよんでいます。(「日本の人事部」サイトより)
採用から業務改善まで幅広い領域を持つになりますが、今回は採用から評価までについて触れていきます。
これまでバラバラに管理され、あまり有機的に活用されていなかった人事情報を用いて、採用基準やタレントマネジメントなどの施策を実行する流れを見ていきます。
HR-Techのアプローチ
人事では、採用・退職・評価・処遇等において、どのような施策をとることが最も人材の活用につながるかを検討することが求められてきております。
そのため、クラウドや ビッグデータ解析、人工知能(AI)など最先端のIT関連技術を使って、採用・育成・評価・ 配置などの人事関連業務を行う手法の確立することだと考えられます。
企業の課題としては、自社内に過去のデータがない、人材の特性を把握するだけのノウハウがない。
導入の効果が不明なものにコストをかけたくない、などが挙げられます。
しかし、ある程度の分析手法が確立された今、採用・評価基準、配置等、過去のデータを集計して、最適な結論を導き出し、施策に展開させることが可能になることも重要になってきています。
ここでは弊社の人材判断ツールのHR-PROGによる分析を用いて、データの活用イメージを解説していきます。
HRデータの分析
データ分析方法は、集められる可能性があるデータから、HR-PROGのデータを用いて、解析し、その結果をもとに、各人事施策に展開します。
この分析でできることは様々ですが、代表的な例としては下記のようになります。
●Case1 退職者の動向 ・・・ 退職理由の把握
●Case2 勤続年数ごとの動向 ・・・ 勤続年数による影響度合の把握
●Case3 新卒区分ごとの動向 ・・・ 新卒と中途の影響度合の把握
●Case4 評価・スキルごとの動向 ・・・ 評価・スキルごとの動向の関連性
●Case5 職種(部署)ごとの動向 ・・・ 職種・部署ごとの動向との関連性
●Case6 役職ごとの動向 ・・・ 役職における動向の関連性
分析対象は様々ですが、その対象応じたデータを収集する必要があります。
退職者の動向の場合であれば、本人の個人属性はもちろんですが、退職に及ぼす影響に関するデータも必要になります。
例えば、評価データや教育履歴、社内サーベイ結果、その他、退職に影響する、もしくは影響すると想定されるデータになります。
ポイントとしては、「給与データでは収集できないデータ」および「退職者データ」と考えます。
他にも、「入社経路(新卒・中途・直応募・エージェント経由等)」「研修履歴」や「要塞情報」名度が必要になります。
また、情報収集の際に、システム導入を検討する場合もあります。
しかし、単に情報を入力するだけのツールであれば初めの段階ではシステム等は必要ない場合もあります。
人事データは給与や経理データとは異なり、それがなくても業務上問題ない場合が多く、情報収集に失敗すると大きな損失になる可能性があります。
また、収集データ項目についても変わる可能性があり、初期段階ではなかなか決定できない場合が多々あります。
まずは人事や総務、経営企画等の部門が主体的に収集することが望ましいと思います。
そしてどのデータを集めるのか考えていきたいと思います。
単に欲しい情報収集ということも必要ですが、「それを使って何をするのかということ」を考えることが必要かと思います。
次に、人材測定のツールを用いて、その結果をデータ化します。
この部分については自社開発もしくは、データ化が可能な一部ツール等を用いる必要があります。
それらのツールを使用する場合は、過去のデータを元にした傾向値分析が出来るということも意識する必要があります。
単なる現状結果のみではなく、何をすべきなのか、また何をするべきではないのかが施策・方向性として分かるものが求められます。
弊社のHR-PROGは以前にも紹介させていただきましたが、やりがい・職務適合性が充足すれば、人材を活かすことが出来る状態になるという考えをベースに、それらを会社に対する意識が高いかどうか(=取り組み姿勢)と、本来の行動特性と現状の業務との適合性(コンピテンシー)の2軸で測定します。
今回は人事データの活用についての留意事項・準備事項について触れました。
次回はその活用について触れていきたいと思います。