台風予報により大事をとって会社を休みにした場合、休業手当を支払う必要があるか?
最終更新日:2024.10.24
目次
問題の事象
天気予報で翌日に台風が接近する可能性が高かったため、大事をとって全社休業としました。
実際には特に交通機関が乱れるほどの影響はなかったのですが、休業手当を支払う必要があるのでしょうか?
解説(基本的な考え方)
天災事変のような不可抗力で休業とした場合には休業手当を支払う義務はありません。
ただ、たとえ台風予報だったとしても、
出社可能にもかかわらず会社判断で休業とした場合については、休業手当の支払いが必要
となります。
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休業手当とは
休業手当とは労働基準法で定められた制度で、会社側の都合によって労働者を休ませたときに支払う手当のことです。
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。(労基法第26条)。
と定められています。
使用者の責に帰すべき事由について
天災事変のような不可抗力を除き、使用者側の都合で休業としたものはすべて「使用者の責に帰すべき事由」となります。
ここでいう不可抗力とは、
① その原因が事業の外部より発生した事故であること
② 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
② 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
この2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。
具体的なケース
休業手当の支払いが必要なケース
- 経営不振による休業
- 設備や機械の不備や検査による休業
- 資材不足による休業
- 作業に必要な人員不足による休業
- 電力や燃料不足に伴う休業
- 監督官庁の要請による休業
- 運転資金不足による操業停止(全部または一部)
- 親会社の経営不振を受けての休業
- 労働者が所属しない組合のストライキなどで企業が休業した場合
- 夏期の節電対策に伴う休業
- 感染症への感染が疑われる従業員を、企業側が自主的な判断で休業させる場合
- 台風で来客が見込めないことによる休業
不可抗力に該当する(休業手当の支払い義務がない)ケース
- 台風や地震等の自然災害の影響で、会社の施設が被害をうけたことによる休業
- 公共交通機関が大々的に停止し、多くの社員の通勤に支障がでる場合の休業
- 感染症法の規定による就業制限(新型インフルエンザや新型コロナウイルスに感染した場合など)による休業
まとめ
台風など天候不良による休業であっても、公共交通機関が止まる、または相当な遅れが出ない以上、休業手当の支払い義務のあるケースと考える必要があるでしょう。
とはいえ、実際問題として強風の中出社を求めることは現実的ではありません。
天候不良の際に会社がとる対応については、気象警報などの状況をふまえた休業の運用方法や、その際の事後申請による有給休暇取得の特例など、あらかじめ労使間で合意し、規定を定めておくとよいでしょう。