契約社員から正社員待遇の要求!同一労働同一賃金を踏まえ、企業が取るべき対応とは?
最終更新日:2024.10.24
目次
パートタイム社員やアルバイトから正社員と同等の待遇を求めれたら?
パートタイム社員とアルバイトから、正社員と同じ待遇にするようにと主張されました。
正社員とは基本的には業務は異なるのですが、どのような対応をすれば良いでしょうか。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な“待遇差は禁止”
これまで労働関連の法律によって一定の基準は規定されていましたが、同一労働同一賃金を含めた「働き方改革関連法」が成立したことで内容がより明確になりました。
また、同一労働同一賃金に密接に関わる労働契約法、パートタイム・有期雇用労働法、労働者派遣法が改正されたことによって、
され、「業務の内容や責任の程度等を踏まえて、支給される賃金や手当内容だけではなく福利厚生や教育研修等を含めた全ての待遇を均等・均衡にしなければならない」という旨が明確に記載されました。
同一の業務内容なのに、賃金が異なったことにより裁判となった事例も
同一労働同一賃金関連条文は、2020年4月1日施行の「パートタイム労働法」に規定されていますが、
事業主に対する行政の援助、指導、勧告によってその内容を実現することを目指しています。
しかしながら、違法な状態で事業を継続すると、最悪の場合、労働者から訴えられる可能性があります。
過去には同一の業務内容であるにも関わらず、賃金が異なったことにより裁判となった事例もあります。
処遇について一覧表等を作成し、正社員と何が異なるのか明確にする必要
「業務の内容」が同一である場合、当該パートタイム社員が従事している業務を個々に分割し、その中から中核的業務を抽出して、それが正社員と同じであれば、「業務の内容」も実質的に同一と判断されます。
また、
します。
違法とならないよう、正社員とパートタイム社員及びアルバイトの業務内容の違いを明確に区分すると同時に、
があります。
企業は「同一労働同一賃金」に対応し、労使の話し合いが必要不可欠
「同一労働同一賃金」に対応するためには、就業規則や賃金規定を見直す必要もあるため、短時間労働者・有期雇用労働者を含む労使の話し合いが必要です。
また、検討の結果、手当等の改善をするためには原資など考慮・検討しなければならないことがたくさんあります。対応は計画的に進めましょう。
まず取り組むべきことは以下の通りです。
①労働者の雇用形態の確認
②各雇用形態の待遇の状況の確認
③待遇に違いがある場合、違いを設けている理由の確認
④上記②と③で、待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理ではない」ことを説明できるように整理しておきましょう。
各従業員の業務・役割を整理し、正社員と同じなら賃金等の待遇を揃える
何故、パートタイムが必要なのか、どのような制度が異なるかを一覧表にして精査する必要があります。
また、現状としてどのような業務・役割を担っているかを整理も併せて実施します。
その結果、業務・役割が正社員と同じであれば、賃金等の待遇を揃えることが求められます。
その際に、所定労働時間の過多は関係なく、純粋の「業務・役割」の差異で測定します。
待遇については、「同一」であれば、
することになります。
することになるかと思います。
今後の方向性として、正社員・パートタイムの身分ではなく、どのような業務・役割を担っているかで区分等していくことが人材の活用の近道だと考えています。