事例・実績

人材の活力を最大限生かし、企業の業績を向上するには適した戦略や施策が必要です。
豊富な人事労務マネジメント実績から、企業の課題改善をサポートします。

人材育成を重視した 人事制度の構築支援

従業員数: 約1000名
人材育成を重視した人事制度の構築支援
育成を重視し、成長意欲を促進させる人事制度構築

 

当社はIT人材の派遣、ソフトウェア開発等を中心に事業展開をしております。

 

これまで順調でしたが近年、人材の確保や定着に苦労するようになりました。

 

理由としては、成長実感がない、一人での作業が多く孤独である、などが挙げられています。

 

このままだと、残りの人材に業務が集中し、悪循環になってしまうことを危惧しています。

 

 

今の人事制度はスキル・業績を中心としたもので、業績の評価においても数字の納得性が低いため、あまり納得性はありません。

 

結局のところは年功的になっています。

 

今回、人事制度を改定することは勿論ですが、どのような状況下の従業員においても成長実感がわくような制度構築をしたいと考えました。

 

 

1.人事制度の基本構造

 

人事制度の基本構造を定義しました。

 

今回は育成に重点を置くということから、どのような人材を求めるのか、「あるべき人材像」の把握から行いました。

 

求める人材像としては、業務を重視(専門性や業務の広がり等)する人材であり、

 

且つ、論理的で協調性がある人材という結論がでました(弊社、HR-PROGより)。

 

 

次に、等級制度の基本構造としては、ITのスキル・経験を中心としたものであり、

 

実際との整合性があまりありませんでしたが、アサインPJの内容から必要な役割を分解し、構築しました。

 

 

2.等級制度とキャリアパス

 

等級制度の構造は、前述の通り、アサインPJの内容から整理し、

 

組織における役割と、アサインの内容からPJごとの役割・担当における重要性(専門性・協調性等)を整理し、

 

専門性という2軸にしました。

 

次に、ステップアップするために、日々何をすれば良いかを検討しました。

 

まず第一に顧客満足を満たすためにはどのような行動をとれば良いか、

 

そのために必要なスキルを満たすために何をするのかという内容を評価制度にすると同時に、

 

ステップアップを明確にすることにより、モチベーションアップを図ろうしました。

 

 

また、一方で、キャリアパスを構築するとともに、ステップアップするための必要なスキル・技能等を明示し、

 

通信教育や、定期的な集合研修、1on1をはじめとする、日々の悩み等の受け皿を用意しました。

 

 

 

3.制度導入

 

最初に説明を行いました。

 

注意したのは単に制度の説明ではなく、現状の問題と課題から解決策を説明することに注力しました。

 

今回の人事制度改定が単なる人件費削減等、従業員に不信感を抱かせないようにするためです。

 

さらに、今回のメインテーマである、1人PJや会社の動きにあまり関与しない人に対して、帰属意識を与えるために、

 

教育体系や、1on1、などを行うことにより、1人1人に対して育成・キャリアパスを明確にし、成長につなげていくことを説明しました。

 

 

4.運用開始と従業員の反応

 

目標をはじめとする期初の評価項目の設定を行う際には、評価者研修を2日にかけて行い、

 

評価の視点合わせと基準のレベル合わせを重視してレクチャーするのと同時に、

 

期中コミュニケーションを通じて、その状況を確認し、問題等があれば修正するというプロセスを徹底しました。

 

 

一部の管理者においては、業務多忙を理由に期中コミュニケーション等を実施しない場合もあったが、

 

別に設定していた悩みの相談室において、その事実を受け、役員等により管理者への注意をし、

 

それでも改善しない場合は、降格を視野に入れた教育等を行うこととしました。

 

 

5.その後と社会情勢の変化

 

新人事制度は導入1年で定着化し、従業員の評判も上々でした。

 

しかし、一方で、現行の管理職層を中心に、このような取り組みに合わない人も出てきました。

 

そのような人に対しては、別のポジションを処遇する、管理者とは何かということを再教育する、

 

また、ごく一部の人には対しては何のアプローチもしませんでした。

 

距離が離れていてもある程度のコミュニケーションを取ることができ、

 

新型コロナウイルス騒動による社会情勢の変化に対しても柔軟に対応することができました。