労務リスクの解消から 労働時間削減に向けた取り組み
2020.01.28
労働時間削減のみならず、マネジメント力の強化も実現
労務診断から、労務管理体制の構築、人事制度(等級制度・賃金制度)、サクセションプランの立案等、約2年にわたって、一気通貫に行った事例です。
労務診断の結果、労働時間制適用と、正社員以外の身分制度の不透明さが最大の問題でした。
また、勤怠管理における必要性・重要性が全く理解されていませんでした。
労働時間管理の問題を解消したいという思いがあるものの、コストとコンプライアンスのバランスをどう保つかが最大のポイントでした。
1.労務診断
労務診断の結果は非常に深刻なものでした。
就業規則等の記載内容自体は問題がありませんでしたが、実運用と乖離や、現場の労働時間管理が全くなされていない(自覚がない)などの内容でした。
また、労働時間制の運用もなされておらず、サービス残業が発生しているという現状でした。
2.労働時間制の見直しと等級制度賃金制度の見直し
ほぼ全員が通常労働時間制を適用されていたため、管理者・みなし労働適用者を整理していきました。
その結果、現行の等級制度との乖離があるため、労働時間制を正しく適用するためには、等級制度を見直す必要がありました。
また、管理者やみなし適用者の処遇が、一般従業員とあまり大差がないことも是正しました。
3.労働時間短縮に向けての自発的取り組みの誘因
管理者・みなし適用者以外に関しては、適切な勤怠管理を行うこととなりましたが、
その手法は勿論、そもそも、サービス残業が解消されないという現場からの不信感もありました。
そのため、PJチームを発足し、勤怠管理のマニュアルを現場と一体になって作成したほか、
長時間労働になる問題・課題を抽出し、それぞれに対して、解決策を立案し、具体的な施策に落とし込みました。
以後、その施策を全社展開すると同時に、それぞれの施策にKPI 等を設定し、必要に応じて、策の見直し等も行いました。
4.PJチームにおける問題点
これまで勤怠管理をする習慣が全くなかったため、PJメンバー以外の管理者からの反感がありました。
研修を実施をすると同時に、毎月の状況の確認を行うことによる、趣旨の説明と、理解度の促進に努めました。
また、労働時間の定義・勤怠管理システムの使い方等、マニュアルやFAQの作成にて対応しました。
また、管理者に対して、一部、役不足の人もいたので、等級制度の内容を一部見直して、管理者の再定義を行いました。
5.当社のその後
管理者・みなし適用者以外に関しては、適切な勤怠管理を行うこととなりましたが、
そもそも、サービス残業が解消されないという現場からの不信感もありました。
そのため、勤怠管理のマニュアルを現場と一体になって作成したほか、
長時間労働になる問題・課題を抽出し、それぞれに対して、解決策を立案し、具体的な施策に落とし込みました。
以後、その施策を全社展開すると同時に、それぞれの施策にKPI 等を設定し、必要に応じて、施策の見直し等も行いました。