事例・実績

人材の活力を最大限生かし、企業の業績を向上するには適した戦略や施策が必要です。
豊富な人事労務マネジメント実績から、企業の課題改善をサポートします。

高止まりする離職の防止と 人材の活性化

業種:
従業員数: 約900名
高止まりする離職の防止と人材の活性化
人事データの活用と、現状を踏まえた施策の立案、実施

 

当社は、大手メーカーを中心に従来とは異なる素材を提供しているメーカーです。

 

創業社長の才覚もあり、創業20年程度の間に年商が300億を超え、一時期は上場も視野に入れて動いておりました。

 

新規学卒者の採用も10年前から実施しており、良い人材の採用ができていますが、

 

10年以内の離職が多いのが現状です。

 

現在の事業の拡大を進めていますが、管理者不足や一部部署における停滞感等もあり、

 

何とかしたいと思っておりますが、人事制度で全てが解決するとは思えず、

 

 

多様な研修を行っていますが、効果も疑問視する声もあります。

 

人材のデータを活用し、何かしらのアクションを起こしたいと考えております。

 

 

1.主要問題の把握

 

対象会社における主要な実施施策は下記のように分類できます。

 

1.弊社人材測定ツール「HR-PROG」を活用して、やりがい等の状況を測定する。

2.データを収集し、現状の人材マネジメント上の問題を把握し、改善活動を行う。

 

 

集められる可能性があるデータから、HR-PROGのデータを用いて、解析し、

 

その結果を元に、各人事施策に展開します。

 

HR-PROGによって、やりがいや取り組み姿勢の項目を数値化されているため、

 

その数値の傾向に対して、退職者の属性や好業績者の属性、

 

さらには職種・ポジションごとの動向に関するデータを重回帰分析等の手法を用いて分析を行います。

 

2.HR-PROGの実施

 

まず役職者の動向を分析しました。

 

また、過去5年間の間に採用した従業員の動向も分析しました。

 

分析内容としては、下記の通りです。

①取り組み姿勢・職務適合性(HR-PROGデータより)

②業績(評価:定量・定性の両側面)

③離職状況

④経歴(年数)・スキルの定量分析

⑤年齢 など

 

3.社内データとの関連性分析

 

次に職務適合性が高い人材が現状でどのような状況になっているのかを検討しました。

 

①離職 との 関連性 職務適合性 と 離職 との 関連性 ・・・相関係数約82%
職務適合が高ければ高い程、離職する傾向にある。

 

②取り組み姿勢(会社に対するロイヤリティ 職務適合性と取り組み姿勢との関連性 ・・・相関係数約63%
職務適合が高ければ高い程、会社に対するロイヤリティーがない傾向にある。

 

新しいビジネスを行う人材がなぜ離職するのか、

 

そして、なぜ会社に対するロイヤリティーがないのか、

 

この2つについて更なる分析を行いました。

 

職務適合性が高い人材に対して、報酬・社風・業務・役職(ポジション)・休暇等プラベートの充実などの項目で

 

アンケート調査を行いました。

 

その結果、充実していない項目順に列挙すると、

 

役職(ポジション)・社風・報酬・休暇等プラベートの充実・業務の順になりました。

 

当初の想定としては、報酬だと考えられていましたが、

 

ポジションが低いため権限がなく、

 

しかも業務に対して“疎い”上司の決裁を得る必要があるため、

 

無駄な作業やストレスがかかっていたことが判明しました。

 

4.改善施策の実施

 

そのため 、決済・承認等のストレス・無駄な作業をなくすと同時に、

 

部門別損益管理をすることにより、適正な報酬を支払うことができると考えました。

 

 

また、アワード制度や積極的な外部研修の参加促進等、従業員に受け入れられる制度も実施し、

 

スキルの向上とモチベーションの向上を図りました。

 

既存従業員からの反発もありましたが、次第に社内において認知されるようになり、

 

異動を希望する従業員も増えてきました。

 

その結果、離職率も低減し、業務が効率化され、在籍従業員の満足度も向上しました。

 

さらに、報酬も同業他社より高い水準に設定することができました。

 

 

今後は定期的にHR-PROGを実施し、その他の情報を掛け合わせて分析することにより、

 

問題が露見される前に適切に対処するような運用を実施しました。