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生産性向上を意識した 「働き方改革」の実現

業種:
従業員数: 約400名
生産性向上を意識した「働き方改革」の実現
労働時間削減と生産性向上の実現、それに伴う利益率の上昇

 

昨今の労働基準監督署の調査、働き方改革のブーム等もあり、

 

当社においても実施を考えていたが、何をどのようにしたら良いかが、はっきりしていなかった。

 

給与は業界水準並みに厚待遇であるが、給与とのバランスを欠いている者が存在していたり、

 

一部の部門を除き、長時間労働の傾向があるなどの問題点、さらには、採用活動における優位性、メンタルリスクの軽減を行うためにも、

 

何かしらの方法で、「働き方改革」を実践することとした。

 

また、もう一つの目的として、ブラックボックス化している業務の可視化(特に営業部門)と、業務の効率化、それに伴う品質の向上もあった。

 

 

1.モチベーション状態及び業務・制度分析

 

最初にさかえ経営診断ツール「HR-PROG」による従業員のモチベーション状態の分析、

 

及び業務・役割の分担の状況や、時間管理方法・労働時間制等の制度の分析を行った。

 

モチベーション状態については、二分された。業務・会社に対する充実度合いが高い人と、生活面・給与面のみが高い人に分かれた。

 

これまで、満足度調査は毎年実施しており、結果が非常に良かったため、表面化することがなかった潜在的な問題点が明確になった。

 

 

業務分析においては、顧客との折衝時間・企画等の時間・事務資料作成等の時間・その他の時間に分類した。

 

この分類は、利益の源泉が「企画、折衝業務」であると判断したため、その時間とそれ以外の時間に分けるためであった。

 

分析においては、圧倒的に顧客との折衝時間・企画等の時間が多かったが、一方で、移動時間や待ち”の時間も多かった。

 

制度分析においては、実質的な勤怠管理が行われおらず、個々人の判断で残業等を行っていたため、時間外手当は野放図に支払われた状況があり、

 

また、業務の分担においても、等級・給与等が考慮されず、 使いやすい“人に対して、業務が割り振られる傾向があった。

 

また、限定社員の活用についてもほとんど行われおらず、フルタイムのみの活用であったり、ダイバーシティ等が全く実践されていなかった。

 

 

2.制度構築面のアプローチ

 

制度面のアプローチとしては下記の通りである。

(1)裁量等労働時間制の構築と活用

(2)等級制度の再構築と次世代経営者育成プログラムの構築

(3)勤怠管理方法の見直しと管理者の役割の定義

 

勤怠管理すべき人材とそうでない人材の区分け、もう一つは、本当に必要な人材(=経営幹部候補)の選定と育成を基本方針とし、制度構築を行った。

 

 

3.運用面・現場へのアプローチ

 

運用面のアプローチでは、PJチームを結成したが、対象者を大幅に限定し、7名程度の少人数で行った。

 

人数を限定した理由としては、最初は小さく始めたかったからである。

 

また、人材のアサインに関しては、HR PROGのデータ及び役員等からの推薦で構成された。

 

 

実際の着手内容としては、

(1)勤怠管理の手法・ルールの構築

(2)生産性向上について①(利益の源泉となる業務の定義)

(3)生産性向上について(業務の効率化・労働時間の削減)

の3つの項目について問題課題の把握、解決策の立案、実行までを7カ月間で行った。

 

 

4.生産性向上に向けた取り組み

 

生産性向上に向けて、顧客のとの折衝業務は打ち合わせのポイントを絞るか、

 

それに向けて、企画・立案・実行をどのように進めていくのかを研修・ワークショップを交えて討議すると同時に、

 

重要な業務以外の作業を一元化・外注化を視野に入れて、運用をすすめた。

 

仮説思考、ゼロベース志向を理解し、どのようなにして実業務に展開するかを議論した。

 

5.効果とその後

 

導入当初は懐疑的であったが、着実に必要人員数が減少すると同時に、顧客との折衝も非常に円滑すすめられたため、

 

利益率が大幅に向上した。また、副次的効果として、以前は 一匹狼的な社風”であった、コミュニケーションの活性化・組織としての行動が促進され、

 

同時に 必要と思われる”人材の離職が大幅に低下した。

 

また、核となる人材のモチベーション状態が向上した、今後は現PJメンバーを中心に全社展開に向けて討議中である。